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介護老人との入浴奮闘記(前編)【靴の履き間違い事件!】

老人介護をしながらでも楽しく暮らす方法
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はじめに【デイサービス利用のすすめ】

 在宅介護をされている方の多くはデイサービスを利用していると思います。
わたし自身も日々実感していることですが、介護といった労働は肉体的、そして精神的にも相当な負担が強いられるものです。つまり、デイサービスは介護者、被介護者の負担軽減を担ってくれています。

 公表されている介護サービス!【厚生労働省HPより転載】

 実際にわたしの父親も退院後はデイサービスの入浴サービスを受けていました。
介護中の肉体的負担を考えるうえで、入浴介助が相当の割合を占めるとわたしは思っています。なんせ、入浴介助時に腰を痛めてしまったという苦い経験があるものですから・・・。

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介護老人の入浴奮闘記(前編)【靴の履き間違い事件!】

【実体験エピソード】

 三年前、父親の介護を始めた頃のわたしは、恥ずかしながら、介護全般における知識がゼロに等しいといった状態であり、全ては行政任せ、何もかもケアマネジャーさんの指示通りに、とにかく「はい、はい」と従っていれば “ 『介護』なんておちゃのこさいさい ” と、(たか)(くく)っていたところがあった。

 ※ ケアマネジャーとは?
ケアマネジャーの正式名称は「介護支援専門員」です。利用者が必要としている介護サービスを過不足なく利用できるように、利用者の立場に立って総合的な支援をする役割を担っています。

 あっそうそう、以前にも書いたが、ここから少し父親のことを話さなければならない。
父親が介護を必要とするようになったのは、脳梗塞で倒れ、数か月の入院生活を送り、退院してからのことである。

 当時、父親には長年連れ添う内縁の妻がいた。内縁の妻も当初は献身的に介護をしていたようだが、要するに老老介護というやつである。しだいに心も肉体も疲れていった。

 父親の我が儘さにもほとほと手を焼いたに違いない。
後からケアマネジャーさんに聞いた話であるが、父親はデイサービスの利用を拒んで、全て内縁の妻の手による介護を望んだようである。

 父親の退院から半年後、内縁の妻は家を出て行き、わたしに『介護』というお鉢が回ってきたという訳だが、よくぞ半年間にもわたり、身の回りの世話をしていたものだと、会ったことはないが、感謝を忘れていない。

 全くの介護初心者であるわたしに対し、ケアマネジャーさんは、いの一番に入浴サービスを勧めてくれた。正直に言うと当時のわたしは老人ホームを真剣に探していた。しかし、父親は国民年金受給者である。わたしの援助があったとしても入れる施設は限られてくる。



 予算内で何とか入所出来うる施設はいずれも、うん十人待ちである。百人を超える待機者を抱える施設まであった。こうして最初からわたしの『介護』における楽観的な思考は停止してしまったのである。

 そんな状態でのケアマネジャーさんの提案はまさしく渡りに船だった。
(日中はデイサービスで過ごして貰って、リハビリ、入浴に、昼食は介助付き。まあ、費用はかかるがこのくらいなら何とかなるだろう。これならわたしもきっと楽だ)。

 ところが、そんな簡単には物事が進んでいかなかった。
父親にデイサービスを利用したがらない理由を訊ねてみると「行くのが面倒だ」「決められた時間は嫌だ」「他人の手を借りたくない」と、こうである。

 そこで先ずは、わたしが付き添いで入浴サービスだけでも受けようということになった。
わたしが介護を始めてからの入浴はと言えば、浴槽に軽く浸かるだけで満足に身体も洗えていないという状況であったからだ。

 なんせ、「身体洗ってやろうか」と言っても「死んでもお前の手を借りるのは嫌だ」で、ある。
わたしも心の中で(俺だって嫌だよ。ば~か)と、唱えていたのだからお互い様なのだが・・・。

 そして、他にも色々とあったが、どうにか入浴サービスを受けることができた。
これで安心と胸を撫で下ろし、次回からはひとりで行かせることにした。ところが、そこで次の問題が持ち上がったのである。

 「もしもし、○○さんの携帯ですか?あのう、お父さんの履いてる靴を調べて欲しいんですけど……。靴が無くて帰れなくて困っている利用者さんがいるもので、出来るだけ早く確認して貰えませんか」。



 言うまでもないが、これはデイサービスからの電話である。父親の携帯にも電話をかけたのだが留守電になっているとのことだった。わたしも一応試みてみたがそのとおりだ。夕方だったこともあり、わたしは結局仕事を早退しなければならなくなってしまった。

 三十分後には父親の家に着いて、玄関に脱ぎ捨てられた靴を確認して見た。
(確かに父親の靴ではない。しかも新品だ……。)これは父親を連れて先方に謝りにいかなければならない。と、家になかに入って行ったら、「ご~、ご~」と高いびきが聞こえる。

 (久々の入浴で、よほど気持ちが良かったのだろうか。……いやいや、そんなことを言っている場合じゃない)

 「おい、起きろ!違う人の靴を間違えて履いて来たらしいから、これから謝りに行くぞ!」
わたしは、寝ぼけまなこを(こす)る父親に、靴を見せながらそう言った。ところが、父親の返答はこうである。

 「それは、俺の靴だ!」
 「いやいや、施設から電話があったから、良く見てみろ!」

 父親はようやく起き上がった。そしてもう一度その靴をマジマジと見て、ドスの利いた声でこう言った。

 「俺の靴だ。何か文句あるか」。


 介護老人との入浴奮闘記(後編)【ヘルパーセクハラ事件】につづく

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