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介護老人との入浴奮闘記(後編)【ヘルパーセクハラ事件】

老人介護をしながらでも楽しく暮らす方法
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介護老人との入浴奮闘記(後編)【ヘルパーセクハラ事件】

 介護老人との入浴奮闘記(前編)【靴の履き間違い事件!】 のつづきです。

 デイサービスからわたしに “ 父親が靴を履き間違えていないか? ” との確認の電話が入り、父親に真相を訊ねてみたのだが、頑として「俺の靴だ。何か文句あるか」。と言って譲らない。そんな場面まで前回は話した。

 「まあいい、だったらとりあえず一人で靴を返してくるから」と言い残し、家を出ようとするわたしに父親は、「俺の靴なのになんで持っていくんだ!」と不満たらたらの様子である。わたしからすれば、とてもじゃないが相手にしていられない。

 そんなすったもんだの末、デイサービスに靴を届けに行ったのだが、案の定、父親の主張は完全敗北であった。本来の靴の持ち主はとても温厚な人柄で「そんな間違いは誰にでもありますから」と、言ってくれた。

 ひとりの介護士さんは「靴を判別し易くするようにするとか工夫すれば大丈夫ですよ」と、言わば励ましのような言葉をくれた。しかし、それを父親に告げると「どいつもこいつも馬鹿にしやがって」と、言葉尻を悪くとってしまった。

 こんな父親の気難しい性格には毎度ながら辟易させられる。
以前にもこんなことがあった。病院の待合室で看護師さんに「○○さん、だいぶ元気になりましたね」。と、何気ない声掛けをして貰ったときだ。

 「ヨボヨボで悪いな!」なんて言い返すものだから驚いてしまう。
父親の場合、虫の居所が悪いときは、善意の言葉も悪意に満ちた言葉として伝わってしまうらしい。

 それはともかくとして、靴を履き間違えた一件の言い分は「俺の入れた靴箱にそいつが自分の靴を入れたに違いない」。だ、そうである。そんな具合で決して自分の非を認めないどころか挙句の果てには「俺を悪者扱いするところにもう行かない!」と駄々をこねる始末だった。

 それでもちょうど気候も温暖になってくる頃だったから、身体も痒くなってくるのか、渋々であったが、それから二度、三度と入浴サービスを利用した。靴も間違えないように蛍光シールを貼った。けれどもまた新たな問題が持ち上がってしまったのだ。

 新たな問題とは「あの人とあの人は嫌だ!」。と、ふたりの入浴介助担当者を名指しで拒絶したことだった。だからと言って小規模なデイサービスのため、簡単に「はい。分かりました。それなら担当者を変えます」。みたいにもいかない。

 わたしも、そして施設の人間も、父親に向かって再三、理由を訊ねて見たのだが、「理由は嫌だからだ」。と、こんな調子で問答にすらならない。そしてまた「行かない!」と言い始めてしまうものだから、結局は元の木阿弥もくあみになってしまった。

 ケアマネジャーさんは「それなら訪問看護に変えて入浴も家庭のお風呂で入るようにしましょうか?」と提案してくれた。この頃もまだ、『介護』の知識がゼロのわたしなのだから、全てが言いなりである。

 そして、前に話した “ 父親のヘルパーさんへのセクハラ問題 ” に続く訳だが、その部分は、 
 介護の日々の始まり【介護ヘルパーさんへのセクハラ問題】 を参考にして貰いたい。



 ケアマネジャーさんが言うには「珍しいことじゃないです。良くあることですが、お父さんの場合は……。」つまり、こんな感じで言葉を濁さざるを得ない悪質なセクハラを働いてしまったのだが、当の本人はケロリとしていて、「間違って触っただけで大袈裟だ」。なんて自分を正当化してしまう。

 それから、担当のヘルパーさんが代わる度に大なり小なりのクレームを受けるようになった。本人曰く、「スキンシップだ!」であるが・・・。
そのうちどこから耳に入ったのだろうか。近所でも父親の噂が囁かれるようになっていった。

 三軒離れた家のおばさんの「こんにちは。なんか、お父さん色々と大変らしいわね」と、小骨が喉に刺さったような物言いで、その事実を知った。

 そしてわたしはついに決心した。父親がどんなに嫌がろうが入浴介助だけは自分の手でやろうと。そしてその日のわたしは、父親を無理矢理お風呂に入れて洗おうとした。

 「早く脱げ!」「やめろ」「うるさい」「熱い熱い」「少しの我慢だ」「痛い痛い」「痛くない!」
まさに格闘である。大人しくしてくれさえいたら何の問題も無かったのだが、わたしから逃げようとした父親が石鹸水で滑り、転びそうになったのだからさあ大変だ。

 わたしはそんな父親を何とか片手で支えた。しかしそのとき、わたしの腰を一筋の電流が走り抜けた。父親は苦痛に喘ぐわたしを(こいつ、何やってるんだ?)的な不思議そうな表情で見ていた。そして奮闘虚しくも、またヘルパーさんにお願いすることになったのだ。

 そんなこんなで今現在は、リハビリのおかげで少しは身体の自由が利くようになってきて、わたしと一緒に週二回、少し遠いが “ 身体が不自由な方にも優しい温泉施設 ” を謳い文句にしている入浴施設を利用している。

 相変わらずわたしの手を借りたがらないから、どこをどのようにして洗っているのか、困り果てたものであるが。いずれにしても、父親が満足しているのだから良しとしよう。

 あっ、ここまでつい愚痴だらけになってしまったが、最後に父親のフォローもして本稿を終えたい。ヘルパーさんへのセクハラについて父親がこんな言葉も残していたからだ。

 「惚れやすいからなあ」。


おわり

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あとがき【高齢者にとっては入浴すらも重労働!】

 一般的に高齢者になると体力が落ちていきます。
つまり、高齢者は入浴ですら体力的にきついのです。そういうのも分からず、わたしは父親に対し入浴を無理強いしていたのですから、上手くいく筈がありませんよね。

 そしてもうひとつ、介護をされる人間にも自尊心があるということを、わたしの場合は気付けなかったと言えます。何もかも誰かの手を借りなければならないという現実は受け入れ難いものでしょう。自分がその立場ならきっと惨めに感じると思います。

 そんなわたしの経験を踏まえ、介護初心者のうちは専門家による公的サービスを受けたほうが絶対に良いと思います。

 公表されている介護サービス!【厚生労働省HPより転載】

 介護生活が三年過ぎた今で失敗だらけの毎日です。
       でもひたすら前向きに、共に頑張りましょうね。

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