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とある『Go Toトラベル』利用者の夫婦のはなし

限られた時間の中でのスローライフ
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はじめに【Go Toトラベルについて】

 国土交通省の観光庁による、『Go Toトラベル』事業における利用実績を見ると、少なくとも約3,976万人(7/22~10/31)が宿泊していると出ていました。恩恵にあやかった方、または「そもそも旅行どころじゃない」。と言う方、事業に関しては様々な意見があると思います。

 わたしも父親の介護をしている身分ゆえ、旅行というものにこのところ何年も縁がないのですが、ともかく、新型コロナウイルスの感染拡大で大きく落ち込んだ旅行業、宿泊業、観光施設や交通機関の活性化には一役買っているものと考えます。

 そんな『Go Toトラベル』の恩恵にあやかった知人がひとりいます。
今回は、その知人が語った旅行談義をひとつ、ふたつ紹介したいと思います。

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とある『Go Toトラベル』利用者の夫婦のはなし

 「それにしても日本人もマナーが悪くなったものだ」。
少し前の三連休、『Go Toトラベル』を利用して、北海道旅行に行った知人が開口一番こう切り出した。

 とかく旅先でのマナーは、話題になることが多い。
それは旅行中ならではのことで、普段は全く気にならない他人の言動に、お互い関心を向けやすいからだ。

 「どうしたの?」わたしが訊ねたら、その知人の口から次から次へと溢れるように、不満が飛び出した。先ずは、「宿泊したホテルでマスクをしていない人間がいるんだよ!マスク着用のお願いのポスターが至るところに貼られているにも関わらず」。と、こうだ。



 (少し神経質過ぎやしないか)それが率直なわたしの感想であったが、一先ずうんうんと、同意した素振りを見せて耳を傾けた。

 「特に北海道は感染者が増えているんだから、観光客は細心の注意を払わないとダメだろ。それにだ、食事のときもソーシャルディスタンスを保てるようにホテル側が試行錯誤して、あれこれと決めごとを設けているのに、それを守らないやつも多い!」

 彼の宿泊したホテルの食事は「新ビュッフェスタイル」というものだったらしい。
客と客とは広く間隔を空けて、マスクと手袋を必ず使用し、順番に好みの料理を選んでいくというのだが、それに従わず、ホテルの従業員に注意をされている人を何人か見かけたと言う。

 そもそも、「観光客は一般的にマナーが悪い」のではなく、普段からマナーが悪い人が、観光客の状態になることで、悪さが増幅されるのだ。そう、わたしは思う。

 「しかもだよ、注意をされたことに腹を立てて、 “ お客様に対して無礼な! ” みたいな態度をとるんだよ。あれにはビックリしたよ。日本人ってこんなだったっけ?と、一瞬目を疑ってしまったよ」。

 観光客の心理は、「解放感」と「緊張感」の相反する気持ちが同時に高まる特徴がある。海外に行くと後者が強まるのに対して、国内旅行では圧倒的に「解放感優位状態」になる人が多く、その結果、「どうせ二度とこないのだから」と、いわゆる「旅の恥はかき捨て」状態になる。

 彼の申す、過剰な客意識でホテルの従業員に威張り散らす。または酔っ払ってトラブルを起こすような人は、「解放感優位」が悪い結果をもたらしているケースだ。

 「それと、ユーチューバーだか何か知らないけど、観光地でむやみやたらに動画を撮っているやつらも多すぎる。撮影を邪魔しないようにこっちが待ってあげているのに、一言の挨拶もない。あいつらはその行動が周りに迷惑をかけているのだと、ちっとも理解していない」。



 似たようなことは、知り合いの温泉旅館経営者にも聞いたことがある。
「誰もいない時間を見計らって入浴している動画を撮影したいのですが?あっ、タオルを巻いたまま入っていいですか?」といった問い合わせが頻繫にあるらしい。

 「それは勿論、宣伝をしてくれるのですから嬉しいのですが……。」
経営者は一度口を濁したあとこう続けた。「あくまで、他のお客様の迷惑にならないようにとお願いをしているのですが、度々他のお客様から “ 勝手に動画を撮られた ” との苦情があります。

 わたしもそうだが、人は何かに集中するとき、周りが見えなくなる。それが仕事なら尚更だ。今やユーチューバーは、小学生の『将来なりたい職業』ランキングトップ10にも入るなど職業としても認知されているのだから、マナーには気を付けるべきだろう。

 知人の不満はまだ止まらない。
「レンタカーを借りて移動してたんだけど、高速のサービスエリアで、空き缶やペットボトル、紙くずなどをすべて一つのビニール袋に入れて捨てていくやつがいるんだよ。多分家では分別しているだろうに、どうして旅先だとこうなるんだろう」。

 知人の言うことはいちいち最もなことだった。「それにしても、そんな細かいことまで腹を立てていたら、せっかくの旅も楽しめなかっただろ?」そう、わたしが言うと知人はこう返した。

「あぁ、楽しめなかったさ。二十年ぶりの妻と二人っきりの旅行だったものでね。気を使いっぱなしで疲れた疲れた」。

 わたしは、なるほどと思った。つまり、国内旅行にもかかわらず、知人は海外旅行のときのように「緊張感優位状態」になり、ストレスを溜めこんでしまったため、その捌け口として、必要以上に他の観光客のマナーに眼がいってしまったのだろう。

 そうなるくらいなら、「旅の恥はかき捨て」のほうがいい。
無論、最低限のマナーは守ることを前提として。

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あとがき【旅先でのマナーも “人のふり見て己をただす ” 】

 『百聞は一見に如かず』ということわざがあるように、旅は見識を広めてくれます。 または、人との出逢いや様々な触れ合いがあるかもしれません。

 その一方で、その人の悪い部分が顕著に現れることが多いようです。恋人同士が旅を共にし、大喧嘩をしてしまい、ついには破局に至るといったケースが多くあるように、人の本質を見る機会とも言えるでしょう。

 旅は、「人のふり見て己をただす」ための良い機会でもあります。
マナーが良いと思われる人の行動を見習うことから始めてみませんか?


 瘦せ我慢の美学!【身の清潔さ・貧しさを誇りとした時代】

『百聞は一見に如かず』

ものごとの実際は、耳で聞くよりも、目で見る方がはるかによくわかる、ということ。

[由来] 「漢書―(ちょう)(じゅう)国伝(こくでん)」に見えるエピソードから。紀元前一世紀、前漢王朝の時代の中国でのこと。異民族の攻撃に際して対応策を問われた老齢の将軍、趙充国は、「百聞は一見に如かず(何度、報告を聞いたって、実際にその場に行って見るには及びません)」と述べて、自分が現場に駆けつけて指揮を取りたいと願い出た、ということです。


出典 : 故事成語を知る辞典

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