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『内向的な性格』・『神経質な気質』は最大の長所!!

こころを豊かにするメソッド
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はじめに【損な性格を持つ男】

 わたしの仕事上の知り合いにAさんという人間がいます。Aさんという人間を一言で表すとすれば『損な性格』を持つ人間と言えるでしょう。Aさんは誰よりも早く出社をし、いつも帰るのは最後です。とにかく根っからの真面目人間です。

 おとなしく口数も少ない。人付き合いも上手ではない。出世とか昇進にも全くの無関心に見えます。ですから、社内ではとにかく目立たぬ存在であり、上司からの評価も決して良いとは言えません。

 そんなAさんですが40歳の未婚男性です。とても優しく、ひとりで歳老いた二親の面倒をみています。父親のほうは元気なのですが、母親が病気がちで入退院を繰り返しています。そんな事情もあり婚期を逃したのでしょう。

 しかし、本人曰く、「こんな男のところに誰も嫁に来ないよ」。と、とても自虐的で、常に自分を卑下するような言い方をします。そして口癖なのでしょうか「そもそも内向的な性格だから仕方がないよ」。と、何もかも諦めたような物言いを良くします。

 世間一般では、なぜかしら内向的な性格よりも、外交的な性格のほうが良しといった風潮が目立ちます。果たして本当にそうでしょうか?容姿が十人十色なのと同じように、また性格も十人十色です。ひとりひとり、違うからこそ人類は成り立っています。

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『内向的な性格』・『神経質な気質』は最大の長所!!

外交的な性格は一歩間違えると『お調子者』に見られる

 外交的な性格な人は、社交的で人付き合いが上手く、口が達者で、そして楽天家であることが多いようです。その姿は内向的な性格の人から見れば、一見羨ましくも思いますが、その反面、見る人によっては “ お調子者 ” にも映ります。

 このような「調子がよい人」は、他人に対する細やかな気配り、思いやり、または深い洞察力に欠けるといった欠点も持ち合わせているのが普通です。つまり、神経質の反対は “ 無神経 ” であり、無神経さゆえに、知らず知らずのうちに人を傷つけたりすることが多いのです。



 一方で、内向的な性格の人は神経が繊細です。繊細だからこそ、他人に対する思いやりが深くなり、その観察力は鋭くなります。ですから万事においてゆきとどき、人に不愉快な思いもさせません。

 もしかしたら現代社会を生き抜くうえで、外交的な性格の人のほうが得、内向的な性格の人は損と思われるかもしれませんが、それはどうでしょう。Aさんに話しを戻しますと、上司の覚えはともかくとして、後輩からの信頼はとても厚いようです。

 外交的な性格を長所に出世とか昇進を望むのもひとつの生き方です。しかし、物事を大きく “人生 ” と捉えるのなら、信頼に足る人物はどちらでしょう。内向的な性格の人のほうが人間関係において、太い絆を結ぶことができるのではないでしょうか。

神経質の持つ長所を自覚する!

 「自分の性格が嫌いでどうしようもない」。と言う人もいます。Aさんもそのひとりです。けれどもAさんはそんな性格を「仕方がない」と割り切っています。この割り切りのできない神経質な人は、それを悩み、自己嫌悪に陥ったりします。しまいにはそのことが原因で精神の不調を訴えることも・・・。

 神経質な人は感受性が豊かということです。感受性はひとつの才能です。芸術家を例にとると分かりやすいでしょう。また、日本には『職人(しょくにん)気質(かたぎ)』という言葉があります。加えて経営者、そして研究者やエンジニアの多くも神経質のようです。

 神経質な人は感受性が豊かで、人の感情にも自分の感情にも敏感です。ときには激しい感情を抱いたり、ナイーブになったりすることもあるでしょう。しかしそんな性格だからこそ補える役目があるのです。繰り返しますが神経質は長所なのです。

 

神経質の長所

  • 人に対しての思いやりが深い。
  • 思慮深く、責任感が強い。
  • 細かいところに気が付き、万事にゆきとどく。
  • ぬかりや手落ちが少ない。
  • 緻密な思考力を持っている。
  • することなすことにスキがない。 
  • 義理堅く几帳面。  等々

神経質だった歴史上の人物

 歴史上の人物で神経質な人を訊ねられたら、真っ先に織田信長と答える人が多いでしょう。直観力が鋭くて、神経が常に研ぎ澄まされている印象です。この鋭い神経が時代を正確に捉え、(せん)(みつ)な判断のもと、戦国の覇者まであと一歩というところまで押し上げたと言えます。

 幕末の志士のなかからあえて選ぶとしたら吉田松陰です。人よりも感受性がすこぶる強く、ですから、日本の危機を敏感に感じ取ることができたのでしょう。松陰の思想もそうですが、その人間愛に触れ、松下村塾の塾生たちは幕末維新の激動期を、師の思いを胸に、駆け抜けて行くのです。



 戦国時代、そして幕末と、ふたつの変革期だけを例に歴史上の人物を上げてみましたが、先駆者とは一様に神経質な人と言えます。宗教の教祖として一宗(いちしゅう)一派(いっぱ)を開くような人も繊細な心の持ち主だったでしょう。哲学者や科学者もしかり、世の中は神経質な気質の人間が動かしてきたのです。

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あとがき【性格も損して得取れ!】

 さて、『損な性格』を持つAさんの近況ですが、どうやら近々結婚するらしいです。お相手は十歳年下の職場の後輩です。Aさんは「物好きな変わり者がいるもんだ」と、相変わらずの謙虚さですが、きっと婚約者はAさんの真面目で誠実な部分に惹かれたのでしょう。

 どうやら仕事のほうも重要なポストを任されるようです。見る人は見ているものですね。
長い間コツコツと損をし続けてきた代償として大きな得を手に入れたように感じます。 “ 性格も損して得取れ ” と言ったとこですか。今後は決して『損な性格』と言わせません。

 欲を言えば、外交的な性格と内向的な性格の両面を併せ持っていたら、人間的に深みが増すことでしょう。明かしますが、わたしも内向的な性格で、かつ神経質です。ですから実を言うと、この文章はわたしに向けて書いているのです。いやはやお恥ずかしい限りで。

 劣等感、積もりに積もると被害妄想になる!

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