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介護老人の飽くなき『餅』への執念!【お餅受難騒動始末記】

老人介護をしながらでも楽しく暮らす方法
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はじめに【食物原因の窒息事故について!】

 2020年も暮れようとしています。色々あった一年でしたが、来年こそは一日も早く平穏な日々に戻れるよう、とにかく祈るばかりです。

 さて、話は変わりますが、厚生労働省の調査によると、食物が原因となった窒息による65歳以上の高齢者の死亡者数は、年間3,500人以上で、中でも、80歳以上の死亡者数は2,500人以上となっています。

 そのうち、餅による窒息死亡事故が43%と最も多く、餅を食べる機会が多い1月に発生していました。わたくし事ですが、ここ何年か、こういったニュースに過敏になっています。なぜなら、父親の食べ物を飲み込む、嚥下(えんげ)機能が低下してきているからです。

 数年前にも一度、怖い思いをしたことがありましたし・・・。

正月に餅を食べる風習について

 古来から日本では、稲作信仰というものがあります。特に平安時代には朝廷からも推奨され、これが現在にも受け継がれて、正月などの『ハレの日』の行事には欠かせない、縁起物の食材となりました。

 とはいえ、もち米は高級品でしたので、庶民にまで普及されるようになったのは江戸時代からのようです。お餅は「よく伸びる」という性質を持っていることから、長生きできるように、という願いも込められています。

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介護老人の飽くなき『餅』への執念!【お餅受難騒動始末記】

【実体験エピソード】

 「餅はないのか?」年末になると、父親は必ずこの言葉を繰り出す。
それも、わたしの顔を見る度にだ。父親は大の餅好きである。甘党だから雑煮よりも、餡子や黄な粉餅を好む。本当は年がら年中、餅を食べていたいらしい。

 けれども、数年前に一度、餅を喉に詰まらせてからは、なるだけ食べさせないようにしてきた。そのときは、あれほど苦しんでいた筈なのに、翌日になるとケロリとして、また「餅はないのか?」と言った。(学習能力が皆無なのだろうか)と、思う。

 普段食べさせない反動からなのだろうか、正月期間には飽きるだけ、餅を食べていたいらしいのだ。わたしとしても、好きなものを好きなだけ食べさせたい気持ちはある。だけど、どうしても怖いのだ。あのときは事なきを得たものの、それは運によるものだった。

―――数年前の一月二日。
 うめき声が聞こえてきて、わたしが寝室に飛び込んだときは、すでに父親は、もがき苦しみ、畳の上をのたうち回っていた。それを見たわたしは、救急車を呼ぼうとして、テーブルの上に置かれていた父親の携帯電話を手に取ろうとした。



 なぜだろうか、そのときの父親は、「うぅ~、うぅぅ……」と、わたしよりも一瞬先に携帯電話を奪い取ってしまったのだ。一刻の猶予も許さない事態な筈なのに。わたしもわたしで、気が焦るし動転していた。だから父親から力尽くで携帯電話を奪い返そうとした。

 そのときだ。父親がもんどり返って転倒した。そして、「おぉぉぉ」と、不気味な声を絞り出した。多分わたしの顔も蒼ざめていたことだろう。ところが、父親はすくりと立って「飲んだ。大丈夫だ!」そう言って、あんぐりと大きく口を開けた。

 完全にあのときは運によるものだった。転倒した際、うまい具合にお腹を打ったのだろう。それからはお餅を小さく切ったり、細心の注意をはらっているつもりだ。最も、父親からすれば「食べた気がしない」。と、不服そうであるが。

 それから数年がたち、嚥下機能も低下している。誤嚥(ごえん)(せい)肺炎にでもなられたらたまらない。ところが、父親はつい先日、こんなことを言い出した。

 「餅を喉に詰まらせて死ぬなら本望だ!」

やれやれである。

おわり

誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)とは?

誤嚥性肺炎の概要

 唾液や食べ物を飲み込むときに、誤って気管に入ってしまうことを誤嚥(ごえん)といいます。通常は気管に食べ物などが入ってしまった場合、むせることで気管から異物を排出する反射機能が働くのですが、誤嚥性肺炎とは、この機能が鈍ることで排出できなかった異物が肺に入ったままになってしまい、肺の中で炎症が起こることをいいます。

 加齢によって噛む力が弱くなったり、舌を動かす筋肉が衰えたりすることで、食べ物を飲み込む嚥下機能が低下する高齢者に多く起こり、70歳以上の肺炎の約80%が誤嚥性肺炎といわれています。

誤嚥性肺炎の予防

 予防としては、口の中のケア、嚥下の方法を含む食事の仕方など、日常生活でも対策が必要です。歯磨きを念入りにさせ、義歯の手入れをきちんとするなど口腔内を清潔に保ち、口の中の細菌を減らすようにしましょう。

 食事の際は背中を丸めた姿勢、逆に背もたれにもたれて胸を張った姿勢で食べると誤嚥を起こしやすくなるので、背筋を伸ばして飲み込むようにします。

 高齢者は飲み込む力が低下しているため、少しずつゆっくりと食べるようにし、調理する側もやわらかく調理する、とろみをつけるなどの工夫をして誤嚥を予防しましょう。

 また、食後すぐ横になると胃や食道の食べ物が逆流して誤嚥を起こすこともあるので、座って過ごすように、注意をすることも大事です。


食べ物による窒息の救急処置!

詰まった直後、まだ意識がある時

腹部突き上げ法(ハイムリック法)後ろから回り上腹部を突き上げる。

  1.  立位または坐位の後ろから救助者が抱える。
  2.  一方の手で握りこぶしを作る。
  3.  握りこぶしの親指と人差し指の輪で作った面を、患者さんの上腹部(みずおち)にあてる。
  4.  もう一方の手で、握りこぶしをにぎる。
  5.  この両手を、一気に手前上方に引くようにして、患者さんのみずおちを上に突き上げる。
  6.  取れない場合は、数回繰り返す。

意識がなくなった時

寝かしたまま、上腹部を突き上げる。

  1.  仰向けにして、太ももにまたがる。
  2.  一方で手のひらの根部をみずおちにあてる。
  3.  他方の手をその上に重ねる。
  4.  この両手で、一気にみずおちを上に突き上げる。

幼児の場合

握りこぶし代わりに、両手の人差し指と中指の4本で押し上げる。

乳児(赤ちゃん)の場合

下向きにして、背中をたたく。

  1.  太ももに乗せた赤ちゃんを、一方の手で逆さに支える。
  2.  他方の手のひらで背中を繰り返したたく。

注意点!!

  1.  意識がある時に、口の中に指を入れて取ろうとすると、噛まれるので危険。
  2.  電気掃除機のノズルで餅などを取るのは、汚いので最後の手段。ノズルを喉まで入れてから電源をオンにしないと、舌を吸ってしまう。
  3.  取れない時は、救急車がくるまで、胸部圧迫式の心肺蘇生術を続ける。


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あとがき【今年一年をふり返って!】

 今年は書き溜めていた介護日記をブログに掲載するといった、わたしからすれば冒険を始めた一年でした。それも、流行り病で仕事の残業が無くなり、少し時間に余裕ができたからです。不幸中の幸いと考えるべきでしょうか。

 どうしても在宅介護をしていると、周りが見えなくなりがちです。ストレスも溜まっていく一方でした。父親には悪いのですが、もしかしたら、ブログを書くことでストレスを発散していたのかもしれません。

 ポジティブに、神様が与えてくれた限りある時間を、考え直す良い機会になりました。
とはいえ、流行り病で不意に亡くなられた方々のことを考えると胸が痛みます。父親が無事に歳を越せそうなことを喜んで良いべきかと・・・。

 とりあえず、父親には大好物のお餅をたらふく食べさせるつもりです。考えた末、餅を小さくして、お汁粉にします。

 皆々様にとって、来年は良いお年でありますように。

 介護問題について思うこと【介護電話相談窓口】

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