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スマホを欲しがる老人の物語【高齢者の携帯電話トラブル!】

老人介護をしながらでも楽しく暮らす方法
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はじめに【格安携帯について】

 3月から各携帯キャリアが20GBで月額3000円程度の新プランを続々スタートさせました。各社揃って、手続きやサポートは店舗ではできずオンラインのみで、キャリアメールの提供はなし、留守番電話サービスなども現時点では対応をせずといった内容のようです。

 余計なサービスをカットして、手続きもオンラインに集中することで「安さ」を提供しているといった感じです。サポートがオンラインのみとなると、例えばケータイが故障した・紛失したという時に、PCやタブレットなどネットにつながる他の機器が手元にないと手続きに困るかもしれません。

 若者ならまだしも、ネット弱者ともいえる高齢者には不親切極まりないサービスと言えるでしょう。ちなみに、わたしの父親(83歳)は、いわゆる、3Gの高齢者向けのガラケーというやつを使用しています。

 そんな父親のもとに一通の手紙が舞い込んだことから、またもや心配事がひとつ増えてしまいました。

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スマホを欲しがる老人の物語【高齢者の携帯電話トラブル!】

 【実体験エピソード】

 認知症の症状なのだろうか。このところ半年くらい前からか、父親はときどき携帯電話の操作方法が分からなくなる。電話に出たつもりが、電話を切ってしまうのだ。

 そしてわたしに、「携帯電話が壊れた!」と文句を言ってくる。勿論壊れてなどいない。折り返しかけると先方に通じるのだから。その都度、「壊れた」から「調子が悪い」と、下方修正してくる。

 こんなこともあった。ボタン操作を間違えてメール画面にしたまま、いざ電話をかけるとなったとき、戻せなくなったのだ。メールという機能は全く使ったことがない。ネットというものには関心すらないだろう。

 つまり、父親の携帯電話活用法といえば、あくまで、電話の発信と着信のみだ。そんな父親が突然こんなことを言い出した。

―――「指で擦る携帯電話に代える」。



 どうやら、老人コミュニティーの中でスマートフォンを使用している人がいるらしく、それを羨ましく思っているみたいなのだ。当然、わたしは反対をした。ところが、父親は言うことを聞かない。ひとりで勝手に機種交換に行く勢いだ。

 わたしは思案した。(どの方法で思い留ませるべきか)と。
無論、高齢者向けのスマホを普通に使えるのなら反対などしない。しかし、話したようにガラケーの操作すらおぼつかないのに、何が “指で擦る携帯電話 ” が欲しいだ。

 そしてわたしは自分の使っているスマホを父親に差し出して「これの使い方が分かるようになったら機種交換に連れて行く。」と、言った。ところが、父親は「こんな変なやつじゃない。」と、手に取ろうともしない。

 そして、よたよたと歩いて一度、寝室に消えたかと思ったら、一通の書類を手に持ってやってきた。それは、某携帯電話会社からのものだ。

 「2022年4月1日以降、○○の3G携帯電話、3Gスマートフォン、○○VoLTE非対応の4Gスマートフォンはお使いになれませんので、○○VoLTE対応の4G LTE、または5G対応機種へお早めの機種変更をおすすめします。」

 その書類に目を通したわたしは「まだ一年もあるだろ」と、言った。ところが、返す刀で言った父親の言葉がこれであった。「その頃まで生きているか分からないべ」。

 ここ最近の父親は、この言葉を武器にするようになった。ずる賢いと言うべきか。わたしが折れることを知っているのだろう。ともかく、(一度は携帯ショップに連れて行かなくてはなるまい)わたしはそう覚悟した。

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よくある高齢者の携帯電話トラブル

① ガラケーからスマホに機種交換したところ、使い方がわからない

 高齢者のなかには、電話さえかけることができたら良いと思っている人がいます。ところが、スマホに代えたことで、あまりにもボタンが多かったり、または操作方法が複雑であったりするため、肝心要の電話操作に苦労しているといったケースが多いようです。

 大手キャリアの場合は窓口で操作方法を教えてくれたり、または高齢者向けのスマートフォン教室を開催したりしていますが、テレビCMなどで、格安スマホを購入した場合は、サポートがオンラインのみになっていて、繋がりづらく、サポートに関するトラブルの報告も増えているようです。

② 必要のないプランやサービスに加入させられていた。(無料サービスの罠)

 無料で利用できるからと言って、さまざまなサービスを契約させられる高齢者が多いようです。しかしそれらのサービスの中には期間限定で無料となっているものも多く、一定期間を過ぎると自動的に利用料金が発生します。

 契約時には必ず説明されるのですが、高齢者の場合はどうしても、勧められるがままに店員に任せてしまうケースが見受けられます。悪質なものでは、「光回線やタブレットまで同時に契約させられていた。」といった事例も報告されています。

③ スマホに届いた架空請求に騙された

 『架空請求』に騙され、振り込みをしてしまったというケースも多発しています。例えば、「ショッピングサイトの利用料金が未払いになっています。もしも期限までに入金をしなければ法的手段を取らせて頂きます。」といった内容のメールが送られてきます。

 ネット社会にまだ免疫を持っていない高齢者にすれば、(もしかしたら操作を間違えて購入していたのかも?)と、素直に思ってしまいます。さらに法的手段の言葉に恐怖心を抱き、振り込んでしまうこともあるでしょう。

④ 通話代金の高額請求に驚く

 格安スマホを契約した場合、特定の電話との通話や特定のアプリを使用した通話だけが無料になるなど、様々な条件が定められている場合があります。

 そのことを知らずに電話をしていて、後から届く請求額に驚く高齢者も多いようです。契約時に説明されているのでしょうが、たった一回の説明で把握できる人がどれだけいるでしょうか。

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高齢者の携帯電話トラブル対処方法

① 契約には絶対に一人で行かせない

 複雑化する携帯電話のサービス内容や料金プラン、その全てを理解するのは難しいものです。それが高齢者なら、さらに理解するには時間がかかるでしょう。

 ショップの窓口で説明を受けたとしても、その内容を把握し、的確に判断できる高齢者なんて、ほんの一握りの方だけでしょう。多くの方は担当者に全てを任せてしまいます。それがトラブルの原因です。

 すなわち、一緒に契約に行ってあげるというのが一番の防止策となります。

② よくわからないサービスは拒否させる

 仮に、時間がとれず、一緒に契約に行けなかった場合は、必ず契約内容に目を通します。そして、もしも訳の分からないサービスが含まれていたら全部拒否にし、ショップに契約内容を確認します。その場合、再度契約者を連れ立ってショップを訪ねたほうが無難でしょう。

③ 独自でトラブルが解決できなかった場合

 信頼できる機関や専門家に相談することをお勧めします。
※ 国民生活センターでは、商品やサービスなど消費生活全般に関する苦情や問合せなどを受け付けています。電話窓口では専門の相談員が対応し、公正な立場から適切なアドバイスをしてくれます。

 国民生活センター 消費者ホットライン:(局番なし)188
【受付時間 平日10時~12時、13時~16時/土日祝日10時~16時】

 独立行政法人国民生活センター
 http://www.kokusen.go.jp/map/

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あとがき【スマホを欲しがる老人の物語(その後)】

 さて、携帯ショップに行く当日になった。
わたしは、とりあえず『スマホお試しレンタル』というサポートを父親に受けさせることに決めた。

(頑固者の親父のことだから、とりあえず使ってみないことには納得しないだろう)と、思ったからだ。

 「おい、そろそろ行くぞ!準備はできたか?」そう、言いながら父親の寝室に入っていたわたしを見て、父親はポカンと口を空けながらこう言った。

 「どこに行くんだ?」
 「携帯を変えるんだろ?予約も入れたし早く準備しろよ」
 「はあ?なんのはなしだ?」

 どうやら、父親の記憶からはこの一件がスッポリと抜け落ちているらしかった。わたしはホッと胸を撫で下ろした。しかし、今度またいつの日か、再燃するかもしれない。いずれにしても、一年後には3G携帯が使えなくなる。

 とりあえず、『スマホお試しレンタル』は、やらせる必要性がありそうだ。
そう考えていたとき、父親の電話が鳴った。「もしも~し!」父親が電話に出た。「プープープー」という音が漏れてきた。

 どうやら、また電話を切ってしまったみたいだ。そして、「この電話、調子悪いなあ」と、ぶつくさと文句を言っている。

おわり

介護問題について思うこと【介護電話相談窓口】

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