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『介護うつ』――心の病から解放される秘訣!!

老人介護をしながらでも楽しく暮らす方法
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はじめに【介護と心の病について】

 介護生活を続けていると、どうしても心と身体のバランスを崩してしまいがちになります。わたし自身も約三年半の介護生活の中で、幾度か精神的に追い詰められたことがありました。

 本音を言うと、「早く死んでくれないかな…。」「いつになったら死んでくれるのだろう…。」なんて縁起でもないことを、気付いたら考えてしまっている自分もいました。

 今考えるとあのときが―――「“ 介護うつ状態 ”だったんだな。」と分かります。けれども、そんな自分を認めることができず、随分と父親にも嫌な思いをさせたものでした。

 たかが三年半でも、そんな状況に陥ってしまうのですから、十年、二十年と、続けられている方々、または「多重介護」生活を送られている方々の苦労は、わたしの想像なんかじゃ決して及びもしないものでしょう。ともかく、『介護うつ』について皆様と共有したいと思います。

介護うつとは?
 介護うつとは、その名のとおりで、介護が原因で発症するうつ状態のことを指します。

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『介護うつ』――心の病から解放される秘訣!!

『介護うつ』が起こる主な三要素

1.精神的なストレス・慢性的な疲労を抱えている

 介護うつが起こる原因に、身体的な疲労の蓄積に伴い、精神のバランスを崩していくといったことがあげられます。介護度が高くなればなる程、身体にかかる負担は大きくなります。

 ましてや、ほとんどの方は仕事を抱えながら介護を行っているのですから、疲労度は慢性化していきます。それが精神的なストレスになり、ストレスが悪化していくことにより、介護うつが発症しやすくなると言われています。

 実際に介護を行っている人の性別を見ると、女性が68.7%、男性が31.3%(平成28年版高齢社会白書)と女性のほうが多くなっています。特に女性の場合は、更年期障害によって自律神経が乱れたり、ホルモンバランスが崩れることがあるので、介護うつのリスクが高まるとされています。

2.誰にも相談をせずに一人で頑張りすぎてしまう

 介護生活において、不安や悩みを相談できる人が一人でもいると、それだけで精神的な負担を減らすことにつながります。逆に、協力者や相談者がいない場合は一切合切を自分一人で解決しなければならなくなります。

 単身で介護をしていると、つい頑張りすぎてしまうものです。過度な責任感は心や身体を知らず知らずのうちに疲弊させていきます。やがては介護そのものが苦痛になっていき、介護うつへと、つながってしまうことがあります。

3.金銭的な余裕が無いために協力を頼めない

 介護度によっては、常時付き添っていなければならなくなることもあります。その為に、職場を離れるといったケースが増えてきているようです。当然、収入が無くなるのですから金銭的な余裕も無くなります。

 実際問題として、介護とは想像以上にお金がかかるものです。例え施設や介護サービスを活用しないとしても、介護による出費は家計を圧迫するでしょう。こういった場合、誰かの協力を得たいと思っても頼めないものです。

 経済面での不安、つまり金銭的に余裕がないことで、精神的に追い詰められていき、介護うつを発症してしまうこともあるのです。

 総じて、介護うつになりやすい人の特徴は「真面目で責任感が強い、完璧主義者」と言えます。このような人は、常日頃から “ 予防法 ” を頭に入れて行動しなければなりません。

『介護うつ』五つの予防法!

1.決して一人で抱え込まずに誰かに相談をする

 不安や悩みは一人で抱え込まず、必ず誰かに相談をしてみましょう。もしも身近に相談ができる相手がいなかったら、下記の “ 行政の設置した相談窓口 ” に電話をして見てください。何らかの解決策を示してくれるはずです。

 介護の負担を一人で背負うには限界があります。直ぐには難しいとしても、良き理解者、協力者を作っておくことが、今後の介護生活において重要になります。辛いときには素直に弱音を吐いて、ストレスを溜め込まないようにすれば、介護うつになるリスクも軽減できます。

2.役者になったつもりで演じてみる

 他人の言葉なら気にならないようなことでも、それが身内の言葉になると、なぜかしら癇に障ってしまうものです。誰もが一度や二度は、こんな経験をした覚えがあると思います。それが介護の現場では頻繁に起こるようになります。

 ただでさえ思い通りにいかないのが介護の現場です。ストレスが溜まっていくと、言葉も厳しくなっていきます。イライラするのは当たり前ですが、そこで本気で怒らないための防御策として、ときには「役者になってみる」ことも必要です。

 (自分が介護士なら今何をすればいいか?自分が医師ならどのような言葉をかけてあげたらいいか?)このように第三者的な視点に立って接するように心掛けることで、言葉、そして態度も柔らかくなっていきます。

 日頃から感情の起伏が激しくならないように努めるだけでも、介護うつの予防になるのです。

3.時には現実逃避も必要

 うつ病のことを「心の風邪」と言ったりします。けれども風邪という病気はこじらせたら大変なことになります。命さえ落とすこともあるのは皆さんもご存知でしょう。つまり、時には辛い現実から目を背けることも必要です。

 介護を受けるほうの立場からすれば、苦しんでいる姿は見たくはありません。自分という存在が負担になっていることを実感するからです。たまには世間体を気にしないで、自分自身の時間を作るよう心掛けましょう。

4.栄養バランスの良い食事を心がける

 近年注目されているのが “ 栄養不足によるうつ症状の発症メカニズム ” です。
うつは心の問題だと捉えられがちですが、悲しみ、怒り、不安などの感情は、脳内の神経細胞から分泌される神経伝達物質の量のバランスが崩れることで起きます。

 この神経伝達物質は全てわたしたちの食べたものからできています。その主な材料となるのがタンパク質です。そして、神経伝達物質の合成に必要なのがビタミンB6を代表とするビタミン、ミネラル類です。

 うつを発症している人は、これらの栄養素が極端に不足していることが多く、サプリメントや食事療法で不足栄養素を補うだけで、劇的に改善させることが可能なのです。

タンパク質が豊富な食べ物

 豚肉(脂身を少なめに)・鶏肉(むね肉)・かつお節・カツオのたたき・マグロ(赤身)・卵・しらす・干しうるめいわし・油揚げ・豆腐・納豆

ビタミン&ミネラルが豊富な食べ物

 ビタミンB群
 ナイアシンを多く含むタラコ・ビタミンB1を多く含む玄米・バントテン酸を多く含む卵黄・ビタミンB2を多く含む豚レバー・葉酸を多く含む海苔・ビタミンB6を多く含むニンニク・ビオチンを多く含む大豆・ビタミンB12を多く含むシジミ

 ビタミンD
 キクラゲは豊富な含有量を誇る・シイタケは天日干しが望ましい・動物性ビタミンDは焼き鮭に豊富

 
 しっかりと鉄を補給したいときには鶏レバー・イワシは丸ごと・小松菜にも豊富な鉄分がある

 亜鉛
 牡蠣は亜鉛が豊富・ウナギにも亜鉛が多く含まれている

5.介護サービスをうまく利用する

 要介護状態になった人が利用できる介護サービスはたくさんあります。高齢者の状態は日々変化していきます。これらの変化に適切に対応できるようにしておくことが、介護うつを予防するために重要です。



 ケアマネージャーや介護サービスの提供先と相談しながら、心身の負担を軽減できる体制を整えておきましょう。

 公表されている介護サービス!【厚生労働省HPより転載】

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仕事と介護 両立のポイント(厚生労働省)

 高齢化が進み、介護を必要とする方が増加しています。これに伴い、ご家族の介護を行う方も増えてきました。介護に直面した方の中には、「本当は働き続けたいが、介護のために離職せざるを得ない」と、仕事を辞めてしまう方もみられます。

 しかし、勤務先の仕事と介護の両立支援制度を利用して働き方を少し変更したり、介護保険サービスを利用したりすることで、仕事と介護を両立させることは可能です。

 仕事と介護を両立するためのポイントについて詳しく知りたい方は下記のページをご覧になって下さい。

 PDF:厚生労働省
 https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/0000154738.pdf

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あとがき【『介護うつ』実際になった場合の対処法!】

 できるだけ早く病院でカウンセリングを受けるようにしましょう。介護うつは、放置しておくと症状がさらに悪化すると言われています。適切な治療(治療薬も含め)を行うことで早期にうつ症状を軽減できる場合もあります。

 そして、何よりも介護から一度離れてみるのが一番です。そんな場合の為に、高齢者を短期間受け入れてくれる施設もあります。介護者自身の心や身体が壊れてしまったら元も子もありません。先ずは自分の治療に専念することが重要なのです。

 わたしの場合は、介護から離れることを選択しました。ときには一泊、長いときで一週間、父親を施設に入れました。最初は嫌がっていた父親も、友達が一人、二人とできるにつれて、まるで旅行気分で行くようになりました。

 わたしと同様に父親にも気分転換が必要だったみたいです。正直、介護生活に先は見えませんが、このところは介護うつの症状と縁がありません。それだけでも自分自身が成長しているのかな?なんて思っています。

 共に頑張りましょう。

介護問題について思うこと【介護電話相談窓口】

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