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これは認知症の症状?【ゴミ屋敷化につながる理由!】

老人介護をしながらでも楽しく暮らす方法
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はじめに【高齢者の招集癖について】

 世の中には色んなコレクターが存在します。
わたしの知り合いにも、安物の骨董品や、アニメのフィギア、プロスポーツ選手や贔屓にしているアーティストのグッズ等を集めている人間がいます。

 人間以外にも、犬には収集癖があると良く聞きます。
物を蓄えるといった行動心理は、太古の昔から食料難に備えた、言うなれば一種の生存本能のようなものでしょう。
豊かになった現代では、それが形を変えたと言えます。

では、老人の収集癖とは、どのようなものなのでしょうか?
認知症の症状のひとつと言われますが、父親の場合はまだ記憶がはっきりしていて、わたし自身、ほとほと困惑したものです。

 厚生労働省【認知症施策】

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ゴミ屋敷化をめぐる攻防劇!

【実体験エピソード】

 「あれ、こんなの持っていたっけ?」
 「昔からある」

 父親の押し入れの整理をしていたときだ。中から古びた鳩時計を見つけた。
とは言っても、壊れているのは一目瞭然である。
鳩が出てくる筈の扉は外れ、何よりも肝心要の鳩の姿が見えない。

 「これ、捨てていいの?」
 「だめだ!」
 当初はこんな感じで、意にも介さなかったが、日にちがたつにつれ、見覚えのない物が増えていった。

 ドライヤーやトースター等の小型家電、自転車のチェーン、そしてハンドル。
何の部品かも分からない歯車やアルミ棒、骨だらけの傘、上げたらきりがないが、どれも壊れていて修理不可能なガラクタばかりだ。



 子供の玩具も良く拾ってきた。泥だらけのぬいぐるみや人形、ミニカーのときはまだ可愛いものだが、モデルガンや模擬刀を見つけたときはドキリとした。
いずれにしても、杖をついてのよちよち歩きのような歩行なのだから、近所から集めてきた物に違いないだろう。

 「こんなもん、どうするんだよ?」
 「使うんだ!」
 ゴミの日に捨てようとしても、父親はそれを許さない。
押し入れの中に入りきらなくなったガラクタは、居間や台所、玄関の隙間を埋めていった。
ついに、私と父親のゴミをめぐる攻防戦が幕を開けたのである。

 言ってもどうせ聞かないのならと、わたしは父親に隠れて、ゴミを捨てていった。
ところがその都度、「○○と○○はどこにやった!」と、えらい剣幕である。
びっくりするほどの記憶力だ。(本当にこれが認知症の症状なのか?)と、わたしは疑問に思った。

 不思議なのは、拾ってきたガラクタ類に触ろうともしないことだった。
時折眺めては、目を細めたり、口元を緩めたりするだけである。
(父親にとっては大切なコレクションなのだろうか?)

 ゴミをめぐる攻防戦は一年以上も膠着状態だった。
拾ってきては捨てる、捨てられては拾う。その繰り返しだ。

 日常の慣れとは恐ろしいものだ。わたしの感覚もいささか調子が狂っていった。
(今度は何を拾ってくるのだろうか?)と、楽しむ自分もいたからだ。
ひとつの拾い物がきっかけだった。それは、プラスチック製の薔薇が細工された
―――カチューシャだ・・・。



 想像で、ひな鳥のように薄くなった父親の頭に、カチューシャを乗せてみた。
そのときは笑いをこらえるのに一苦労した。
いたずら心から 「これ、どうするの?」と、聞いてみた。

 「………。」父親は無言だった。
いつものように、「使うんだ!」という言葉を期待していたわたしは拍子抜けした。

 それからは、父親の行動を良いリハビリと捉えるようにした。
右手で杖をつきながらの歩行だから、不自由な左手や左わきに抱えて持ってくる。
短い時間だが、あんなにも嫌がっていた散歩にも行くようになった。

 「おっ、今日もまた良い物を拾って来たな!」
わたしの言動も変わっていった。父親の反応はいまいちである。
もしや、怒って欲しいのかと思ったりしたが、もうそんな気持ちにはなれない。
(今度は何を拾ってきて、わたしを笑わせてくれるのだろうか?)

 言い忘れていたが、ストリート系のダボダボシャツを拾ってきたときも愉快な気持ちにさせてくれた。
(小柄な父親が着たらワンピースになるだろう……。)

 ともあれ、最近は拾い物が少なくなってきているようだ。
 「どうした?良いものが見つからないのか?」
 「うるせ~!」

 捨てる手間が省ける分、労力的には楽になったが、ほんの少し寂しい自分がいる。


おわり


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認知症がゴミ屋敷化につながる理由!

 認知症の症状には、記憶障害、判断力の低下、理解力の低下、見当識障害、実行機能障害等々があげられます。また、認知症の症状以外でも、セルフネグレクトのような精神的な病もゴミ屋敷化につながる場合があります。

1.見当識障害によるゴミ屋敷化

 自分が置かれている状況、たとえば年月日、時間、季節、場所、人物などの状況を正しく認識する能力を「見当(けんとう)(しき)」といいます。見当識に障害が起きると、今日は何月何日か、今が何時か、今自分がどこにいるのか、誰と話をしているかなどが正確に認識出来なくなります。

 つまり、見当識に障害が起きると、日付や曜日の感覚がなくなり、ゴミを捨てる収集日にゴミを出せなくなります。ですから、捨てられないゴミが徐々にたまり、部屋の中を埋め尽くすことでゴミ屋敷化してしまいます。

見当識障害の対処法

 見当識障害の方は自分が孤独だと感じやすいので、介護者が常に近くにいる状況をつくることが大切です。また、外の環境に対する管理能力が乏しくなるので、服装を含めた体温調節や季節特有の対策をしてあげるようにしましょう。

 徘徊や家に出ると戻れなくなるからといって屋外の刺激を断つと、逆に症状を進行させてしまいます。自分の足で歩いたり、歩いたときの景色の変化、季節の変化を感じたりすることが脳にはよい影響をもたらします。

2.実行機能障害によるゴミ屋敷化

 計画を立てて順序よく物事をおこなうことができなくなることを「実行機能障害」といいます。ある目標に向かって手順通りにできない、自立できないことで日常生活をひとりで送れなくなってしまいます。

 実行機能障害になると、ゴミを捨てるといった行為すらも思うようにできなくなります。結果的にゴミは放置されていき、ゴミ屋敷化してしまいます。

実行機能障害の対処法

 何かを一緒になってできるようにしていきましょう。食事の準備も一緒に行いながら細かく段取りや作業を確認したり、買い物をするときも前もって購入品を紙に書き、次はどこへ行って何を買うのかを確認しながら過ごしてみて下さい。

3.認知症による収集癖

 認知症による収集癖の特徴は、ゴミでしかない物を「まだ使える」と判断してしまい、捨てずに集めてしまうことです。自宅にあるゴミだけでなく、ゴミ収集場所でまだ使えそうな物を拾ってきてしまうため、高確率でゴミ屋敷化する傾向があります。

 この症状の場合、第三者にはゴミに見えても、本人にとってはまだ使える物として認識しているため、捨てるように促しても拒否するのが特徴です。

認知症による収集癖の対処法

 大前提として、本人の集める行為を否定したり、集めた物を不要だ、ゴミだなどと否定しないようにしましょう。たとえ第三者がゴミに見えたとしても、本人にとっては必要だから集めているのです。

 収集行為を肯定的に受け止めることが大事です。たまには集めた物を整理してあげたりしましょう。そうすると「もう十分にある」と理解して、収集しなくなることもあります。

 また、他に気持ちが満たされることや熱中することが見つかると、収集癖がおさまることがあります。収集癖の根本には不安や孤独といった精神的な部分もあります。ですから、コミュニケーションを増やすことも重要な対策となるでしょう。

4.セルフネグレクトによるゴミ屋敷化

 セルフネグレクトは別名「自己放任」といいます。自分自身や生きることに興味や関心がなくなり、身の回りのことを何もしなくなる病気です。従って、食事や排せつ、入浴といった、生きるうえで最低限やることも意識的に拒否し、「何もできない」状態になります。

 部屋の掃除やゴミ捨てを一切やらないばかりか、ゴミがどんなにたまっても本人は何も感じないため、ゴミ屋敷と化してしまいます。

セルフネグレクトの対処法

 セルフネグレクトの場合、唯一の方法は「孤独」にさせないことです。そのうえで、何事も強制しないといった心配りが必要となります。だからといって家族だけで面倒をみるには限界があるでしょう。

 先ずは行政に相談し、連携してケアをしていくことが大切です。介護する側、家族側も、すべてを自分だけで看ようとせず、人の力を積極的に借りることも考えましょう。


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あとがき【人に頼る勇気を持とう!】

 繰り返すようですが、高齢者の収集癖は、認知症の症状のひとつです。また、片付けが出来なくなるのも同様に認知症の症状です。たとえ、他にまだ、そのような傾向がなくとも、そう割り切ることも必要になってくると思います。

 割り切ってしまえば意外と精神的に楽になるものです。わたしの場合がそうでした。厳しく注意をしても本人が悪いと思わない限り無駄なのですから。

 そうは言っても介護をしている身としては精神的、肉体的な負担は大きくなるばかりです。ですから、必ず誰かに相談してみましょう。そして、誰かに甘えてみて下さい。

 そして必ず、行政(各自治体)にも相談して下さい!
 介護問題について思うこと【介護電話相談窓口】

 わたし自身にも言えることですが、人に頼る勇気を持ちましょうね!

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