はじめに【2020年度、日本で起きた自然災害】
改めて言う必要もないのですが、我が日本という国は世界に類を見ない、自然災害大国です。十年前の東日本大震災――それは被災者のみならず、全ての人類に衝撃を与えたと言っても良いでしょう。
このような未曾有の災害は稀だとしても、毎年のように尊い命が奪われる自然災害が起きています。
[地震]
2016年 熊本地震(震度7・M6.5)鳥取県中部地震(震度6弱・M6.6)
2018年 北海道胆振東部地震(震度7・M6.7)
2021年 福島県沖地震(震度6強・M7.3)
[台風・豪雨被害]
2016年 台風10号(死者26名)
2017年 九州北部豪雨(死者39名)
2018年 西日本豪雨(死者224名)
2019年 台風19号(死者90名)
2020年 令和2年7月豪雨(死者82名)
確かに国民の防災意識は高まってきています。とは言え、どこかで「自分のところは大丈夫だろう」といった慢心も生まれているような気がします。それはわたし自身にも言えることです。
そこで、高齢の父親(要介護2)をどのようにして災害から守るのかを、自分なりにシミュレーションしてみました。
災害時の備え!【如何にして高齢の家族と自分を守るのか?】
① 防災マップを確認する!
防災マップを取り寄せて確認したところ、父親の住まいは、海岸から遠く離れているため津波被害の心配はありませんでしたが、河川の氾濫時、最大で三メートルの浸水の恐れがある地域でした。おまけに土砂災害警戒区域にも指定されていました。
続いて、指定緊急避難場所を確認しました。ちなみに、指定避難所と指定緊急避難場所は違います。河川の氾濫時や土砂災害のときは警報が発せられるので迅速に “ 指定緊急避難場所 ” に避難します。
そんなわけで、つい先日、リハビリがてらに父親と避難場所までの道を歩いてみました。
距離にすると400メートルくらいでしたが、坂道や階段を上るため20分以上の時間を要してしまいました。
つまり、高齢者を避難させるときは、迅速な対応が必要になります。
指定避難所
自宅等が被害を受け、被災後の生活ができない住民などが滞在し、生活をする施設をさします。
指定緊急避難場所
切迫した災害の危険から命を守るために避難する場所または施設をさします。
② 近所の住人に協力を依頼する!
避難に20分以上もかかる―――高齢者の足じゃ仕方がありません。杖をついてどうにか体勢を保っているのですから。そこで、わたしがいないときの非常時には近所の住民に協力を頼むことにしました。
幸いに近所の人間、数名が快く協力に応じてくれました。ちなみにこのことは父親に内緒です。偏屈な人ですから「余計なことをするな!」と言われるに決まっているからです。
③ 地震時、家屋の倒壊、家具の転倒から身を守る!
河川の氾濫や土砂災害の恐れがあるときは警報が発せられます。ですから、まだ時間的な余裕がるため、避難することを第一に考えます。しかし、突如として襲いかかってくる地震の場合は、どうしようもありません。
『阪神・淡路大震災調査報告 総集編』によると、死亡原因として、窒息・圧死が77%を占めていました。ちなみに父親の暮らす住居は築40年以上経っています。倒壊の恐れがあるでしょう。これに関してはお金の問題もありますし、先ずは出来ることから始めました。
家具と家電の固定からです!
幸いにして、大きい家具はタンス二つと食器棚くらいでした。家電はどれも小さいものです。気持ち的には少し複雑ですが貧乏暮らしにも良い部分があります。
タンスと食器棚―――L型金具で壁と固定。
冷蔵庫・テレビ・電子レンジ―――耐震マットを底に貼り、倒れないようにする。
ちなみに3,000円もかからないで済みました!
これで一安心とほっとしたところ、 これは認知症の症状?【ゴミ屋敷化につながる理由!】 でも書いたように、父親の寝室の押し入れと部屋の一角が粗大ごみ(父親にすれば宝物)に占拠されているのをどうするか?と思い悩みました。
地震のときには間違いなく散乱するでしょう。つまずいて転んで怪我をするかも知れません。また、足を傷つけて逃げられなくなるかも知れません。
処分するのが一番なのですが、父親の気持ちを考えて、プラスチックケース(大)を5個購入し、フタは閉まらないですがその中に並べることにしました。外から中が見えるので、父親も文句を言いません。
これは予想外の出費で1万円弱もしましたが、他にも使用できるので良しとします。
④ 食料・飲料・生活必需品などを備蓄する!
災害時に自分の家が無事だったとしても電気、ガス、水道などのライフラインが遮断されるかも知れません。そんなときの為に最低限のものを備蓄して置きます。
1. 飲料水3日分―――1人最低3リットル)
2. 非常食3日分―――ご飯は出来ればアルファ米、缶詰、乾パン、ビスケット、板チョコ等。
3. 生活必需品 ―――トイレットペーパー、ティッシュペーパー、サランラップ、マッチ(ライター)、ロウソク、カセットコンロ(ガスボンベも)等。
※ 非常時は特に水が貴重になりますので、大量の水を使わないアルファ米のほうが良い。同じ理由でサランラップは食器に付着させて使用すれば洗わなくても済む。
わたしも以前に4日間、ライフラインが遮断されたことがありました。そのときたまたま持っていて心底助かったなと思ったのは電池着火型の石油ストーブです。暖もとれて、お湯を沸かしたり調理にも使えます。ちなみに父親の家にもあります。
⑤ 非常用持ち出しバッグを準備する!
自宅が被災したときは、安全な場所に避難し、避難生活を送ることになります。そのときに備え、非常時に持ち出すべきものをあらかじめリュックサックに詰めておき、いつでもすぐに持ち出せるようにしておきましょう。リュックは必ず人数分を用意します。
非常用持ち出しバッグには何を入れるか?
1. 飲料水(1人1日3リットル。2日分)
2. 食料品(アルファ米、カップ麺、レトルト食品、缶詰、乾パン、ビスケット、チョコレートなど。2日分)
3. 食器(割り箸、フォーク、スプーン、コップなど、プラスチック製の使い捨てのもの)
4. 貴重品(預金通帳、印鑑、現金、健康保険証、年金手帳など。)
5. 救急用品(ばんそうこう、包帯、消毒液、常備薬など。)
6. 衛生品(ティッシュペーパー、トイレットペーパー、タオル、除菌ウェットティッシュなど。)
7. 防災用品(ヘルメット、防災ずきん、マスク、軍手など。)
8. 衣類・防寒具(衣類、下着、雨ガッパ、毛布、タオル、使い捨てカイロなど。)
9. 日用品・洗面用具(ビニール袋、ウェットティッシュ、携帯トイレなど。)
※ 人によっては、生理用品、ミルク・紙おむつ・ほ乳びんも必要になります。
10. その他(ライター、懐中電灯、携帯ラジオ、予備電池、携帯電話の充電器など)
一応必要な物を並べましたが、重すぎると避難に時間がかかります。
大人の男性で目安は15㎏、女性で10㎏、子供や老人なら5㎏ぐらいです。自分に適した物を選択します。
ちなみに、わたしの父親は足が不自由なので、小さいリュックに最低限の物を詰めて玄関に置きました。そのことは近所に住む協力者にも知らせておきました。
何を入れたか良いか悩む。または準備する時間がないという方は、最初から必要な物が備わっている、防災セットを準備しておきましょう。
あとがき【安否の確認方法!】
別々の場所にいるときに災害が発生した場合でもお互いの安否を確認できるよう、日頃から安否確認の方法や集合場所などを、事前に話し合っておきましょう。
わたしの場合は以前から父親にGPS端末を持たせています。なんどか居場所がつかめなくなって警察に連絡したことがあったもので・・・。
そのことはともかくとして、災害時には、携帯電話の回線がつながりにくくなり、連絡がとれない場合もあります。その際には以下のサービスを利用しましょう。
災害用伝言ダイヤル‼
局番なしの「171」に電話をかけると伝言を録音でき、自分の電話番号を知っている家族などが、伝言を再生できます。
※ 一般加入電話や公衆電話、一部のIP電話からご利用できます。
※ 携帯電話・PHSからもご利用できます。
“ 備えあれば憂いなし ” ということわざがあります。自分なりに災害シミュレーションをしてみましたが、やはり不安は残りました。
日頃から防災訓練に参加をして防災意識を高めていく必要がありそうです。共に頑張りましょう。
介護問題について思うこと【介護電話相談窓口】
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